なぜWWWが誕生したか

wwwが誕生

1989年、素粒子物理学の研究所から考案された。
当時、「実験の結果などを世界の研究者と共有したい!」という話になったが、これまであった電子メールなどのやりとりは不便だった。
そんな中、欧州原子核研究機構(CERN)に所属していたティム・バーナーズ = リー博士がwwwを提案、開発した。

wwwは、HTMLという形式でデータを表現することにした。HTMLはHyper Textという仕組みが画期的で、参照先の文書を瞬時に閲覧することが可能だった。これを表現しているのが、Hyper Linkという形式の記述方法。
研究文書の中で参照されている文書をすぐに閲覧でき、その先の文書でも参照先を閲覧することができる。さらにその先の…と、 インターネット上でのハイパーリンクの繋がりが蜘蛛の巣のように見えることから、World-Wide Web(世界に広がる蜘蛛の巣)と名付けられた。 img

ブラウザの祖先、NSCA Mosaic

www登場当初は、テキストのみの簡素なページであり、画像などは別のページで表示されていた。 現在のWebページのようにテキストと画像が混在できるようにしたのが、イリノイ工科大学のマーク・アンドリーセンらによって開発されたNSCA MosaicというWebブラウザだった。
Mosaicは無料で利用が可能であったため、研究の情報共有だけでなく、様々な人が使い始めた。

今でも使用されるWebシステムの基礎

wwwによるハイパーテキストの閲覧は、Webサーバ(Apache HTTP Serverとか)とWebクライアント(Chromeなどのブラウザ)というソフトウェアで実装されている。
不特定多数の人に公開される情報(コンテンツ)は一つの場所(Webサーバ)で管理するほうが楽なので、サーバとクライアントに分けている。

ページの住所

見たいページがどこに存在するか?それを一意に特定するための仕組みをURL(Uniform Resource Locator)という。 img自動デプロイを有効にする

① : スキーム

どの方法でリソースを取得するかを表す。

② : ホスト名

リソースが存在するホスト(コンピュータ)名を表す。 ホスト名はさらに分解することができる。 img

③ : パス名

さらに、ホストコンピュータ内のどこにあるかを示している。
pagesというディレクトリ(フォルダ)の中の、index.htmlが求めているページ。

HTTPの登場

URLの利用によりコンテンツがインターネット上のどこに存在するかは示すことができた。 が、それらコンテンツ(ハイパーテキスト)を異なるコンピュータ間でどのように送受信するか、という問題があった。
バーナーズ = リー博士は、すでに存在していたプロトコル(FTP,SMTP)を参考に、HTTP(Hyper Text Transfer Protocol)を考案した。
「プロトコル」とは「取り決め」のことで、日本人が「日本語を使って情報を交換しよう!」というふうに会話しているように、WebサーバとWebクライアントでは、「HTTPを使ってハイパーテキストを送受信しよう!」という取り決めを作った。

参考書籍:

「プロになるためのWeb技術入門」 ――なぜ、あなたはWebシステムを開発できないのか